3月に読んだ本

3月の読書メーター読んだ本の数:13読んだページ数:3257ナイス数:199静かな炎天 (文春文庫)静かな炎天 (文春文庫)感想40肩に悩む葉村探偵。今回も、後から後から災難が降りかかって、毎月のように酷い目にあって大変!と思いつつ、それでこその本領発揮の短編が並びます。話の中に紹介されるミステリの数々も興味深く、フェアに並ぶ本も魅力です。表題作の「炎天」の収録された短編集を早速チェックした次第。個人的には、失踪したイケメン作家をめぐる物語をドラマ化したら、誰が合うかなーと妄想を膨らませたのでした。浅香航大さんとかどうかなー。読了日:03月31日 著者:若竹 七海
かわうそ堀怪談見習いかわうそ堀怪談見習い感想かわうそ堀と言うなんとも可愛らしいイメージのタイトルに、怪談見習いときたら、カワウソが見習いに出るみたいな勝手なイメージを持って読み始めたところ。。もう、ぞわぞわする怖い話でした。しかも動物のカワウソとは関係ないし(思い込み怖し)。日常の淡々とした生活の中に、ソッと忍び込む怪異。まるで作者の日常をエッセイ風に描かれているからこそ、実話?なんて思ってしまいましたが。どうでしょう。挿絵の車内で座る一人だけくわっと見開かれた目も怖く。柴崎さんの怪談作家修行の成果を今後も読ませて欲しいです。読了日:03月28日 著者:柴崎 友香
時計じかけの姉  (1) (バーズコミックス)時計じかけの姉 (1) (バーズコミックス)読了日:03月26日 著者:いけだ たかし
いい人ランキングいい人ランキング感想中学2年生の桃は、やや天然の女子学生。母親の再婚や妹、鞠と過ごす穏やかな日常。小さな事にもそっと手を差し伸べる桃が、クラスのいい人ランキングで一位に選ばれる。が、その日から周りの人々の様子が徐々によそよそしくなっていく。いい人に選ばれると言うことは、中学生にとって、名誉なことだけじゃないと言うジレンマ。それぞれの生徒の持つ二面性。仲良しと思っていた友亜ちゃんの行動は、やや理解に苦しむ(イラついたってこととしても)。狭い世界だからこそ、イジメ絶対ダメと。風辻幸人くんの名前に、重い空気が若干薄まる次第。読了日:03月23日 著者:吉野 万理子
IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)読了日:03月20日 著者:えすとえむ
プレゼント (中公文庫)プレゼント (中公文庫)感想葉村晶探偵デビュー作の8篇からなる短編集。「さよならの手口」の40代の葉村さんからお会いしたので、時を遡って20代の葉村さん。やっぱりピリッと辛口ながら、ところどころ抜けていて、トラブルが向こうからやってくる設定に、わわわと思わずにはいられないです。家族との関わりなど、これから時を経ていく姿も楽しみ。葉村探偵と宮部みゆきさんの杉村探偵は、ずっと追いかけると決めているのです。読了日:03月18日 著者:若竹 七海
ずうのめ人形ずうのめ人形感想都市伝説に現れるずうのめ人形。ずうのめの言葉からどんな人形?と思いつつ、物語は、現在と物語の少女の子供時代が交互に語られ、その真相に迫る。やだなー。人形も怖いし、人間の情念、怨念も怖い。「ぼきわんが来る」のぼぎわんて言葉もわからない不気味さがあったものね。どちらも登場の真琴さんの幸せを願うなあ。しみじみ。て、しみじみする小説ではないのですが。人を呪わば穴二つ、改めて肝に銘じましょう。読了日:03月16日 著者:澤村伊智
恋は雨上がりのように 7 (ビッグコミックス)恋は雨上がりのように 7 (ビッグコミックス)読了日:03月15日 著者:眉月 じゅん
サイレンスサイレンス感想婚約者を連れ、お正月を過ごそうと帰省したのに。。新潟から船で行く雪之島。自然豊かで海の幸にも恵まれている静かな島。遊びに行くにはいいけれど、住むとなったらどうでしょう。島の結束もさることながら、どうして変な男に引っかかるか元住民!ほんとにこんな島があったらやだなーと思いつつも、案外小さな結束は田舎都会に関わらずあるかも。人間どこに住んでも変わらないぞと思ってぞぞー。読了日:03月14日 著者:秋吉 理香子
僕たちがやりました(8) (ヤンマガKCスペシャル)僕たちがやりました(8) (ヤンマガKCスペシャル)読了日:03月12日 著者:荒木 光
ザ・ファブル(9) (ヤンマガKCスペシャル)ザ・ファブル(9) (ヤンマガKCスペシャル)読了日:03月12日 著者:南 勝久
白い衝動白い衝動感想スクールカウンセラー千早のもとに相談に来た秋成は、殺人を犯してしまう衝動にさいなまれていた。同時期、凶悪な事件を犯し服役していた入壱が刑を終え、地域に住んでいることがわかり物語は意外な展開へ。包摂という言葉を今回初めて知りました。刑期を終えた受刑者に果たして人は寛容になれるのか、はたまた許せないものなのか。「羊の木」を読んでいた時をふと思い出しつつ。なかなか感情的には受け入れられない気持ちになりつつも、なら排除していいかということとは別で、包摂の意味合いが重くのしかかってくる思いだった。読了日:03月09日 著者:呉 勝浩
犯罪小説集犯罪小説集感想現実の事件に着想を得た短編集。最初から犯罪があると分かって読み始めるだけに、この人物はどの様に事件と関わるのだろうという視線でスッと物語世界に入り込む。決して特別変な人ではなく、普通に生活していたはずなのにズレていく。ニュースの裏側にはこんな人間関係が存在していたかもと思うと、なんとも言えないザラついた気持ち。ドラマ「放送禁止」風にドラマ化して見たいかも。読了日:03月05日 著者:吉田 修一
読書メーター

2月に読んだ本

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:32冊
読んだページ数:6393ページ
ナイス数:175ナイス

だからあなたは殺されるだからあなたは殺される感想
読者モデルの女子高生紫苑を殺したのは誰か。ハンマーマンと呼ばれる凶悪犯を探す、正義というその名も職業にぴったり合った刑事とその妹優羽。物語は2週間という時間の中で、それぞれの視点にたって辿っていく。その中に張り巡らされた伏線の数々。驚愕に至る結末にはたしてどれだけ伏線を読み取ることが出来るのか。人はいろんな面があるのが普通とはいえ、いやータイトルも本当にあらゆる意味で深いです。
読了日:2月27日 著者:水生大海
キャットニップ 2キャットニップ 2
読了日:2月25日 著者:大島弓子
大人スキップ 1 (ビームコミックス)大人スキップ 1 (ビームコミックス)
読了日:2月24日 著者:松田洋子
海に向かう足あと海に向かう足あと感想
美しい自然に恵まれた三日月島でのレースを楽しみに、日々訓練に励む6人の仲間たち。年齢も職業もそれぞれ違いながらも、ヨットを愛するという団結の元、充実した日々を過ごしている。しかし平穏で揺るぎないと思える日常に忍び寄る不穏な影。物語を読んでいるのに、ふと自分の過ごす日常にも、決してないとは言い切れない怖さに、読む手を止めてしまった時も。静寂だからこそ、胸が痛く切ない思いがいつまでも心に残って離れなかった。
読了日:2月24日 著者:朽木祥,牧野千穂
自由なサメと人間たちの夢自由なサメと人間たちの夢感想
渡辺さん二冊目の刊行は、タイトル通り自由なサメの物語と、夢を見る(寝ていて、将来としての)人々を独特の視線で紡ぐ短編集。どの話も、チクッとする眼差しとほのかな暖かみを巧みに織り込み登場人物に深みを与えてます。どういう着地点を見せるのか、展開が読めそうで読めず、そうまとめましたか!と思わず声に出してしまいそうになることしかり。特に自由なサメの登場する二篇。いいねサメ!男前(笑)なんて思ってしまいました。
読了日:2月22日 著者:渡辺優
ギフト±(7) (ニチブンコミックス)ギフト±(7) (ニチブンコミックス)
読了日:2月21日 著者:ナガテユカ
死人の声をきくがよい 9 どう考えても助からない!!編 (チャンピオンREDコミックス)死人の声をきくがよい 9 どう考えても助からない!!編 (チャンピオンREDコミックス)
読了日:2月21日 著者:ひよどり祥子
スクール人魚(3)(チャンピオンREDコミックス)スクール人魚(3)(チャンピオンREDコミックス)
読了日:2月21日 著者:吉富昭仁
能面女子の花子さん(2) (KCx)能面女子の花子さん(2) (KCx)
読了日:2月21日 著者:織田涼
殺し屋、やってます。殺し屋、やってます。感想
経営コンサルタントを営む富澤の裏の顔は、殺し屋。依頼をうける伊勢殿と富澤との間を結ぶ塚原の三人で、請け負う殺人の数々。何かいわく有り気な依頼者たちの推理と、淡々と遂行される殺人。というと何やら怖く不穏ですが、物語はテンポ良く進み、ところどころブラックユーモアも交える富澤に失敗はあるのか?なんて想像しちゃいました。三人三様のキャラがうまくハマって、それぞれの持ち味を掘り下げた長編もよんでみたいな。
読了日:2月20日 著者:石持浅海
能面女子の花子さん (KCx)能面女子の花子さん (KCx)
読了日:2月18日 著者:織田涼
カラス飼っちゃいましたカラス飼っちゃいました
読了日:2月18日 著者:犬養ヒロ
i(アイ)i(アイ)感想
アメリカ人の父と日本人の母の元に養子となったシリア人のアイ。数学の教師の放った「この世界にアイは存在しません。」。勿論この言葉は、アイに対して言っているのではないけれど、その後の人生、いろいろな場面でアイの心の中に問いかけてくる。何もそこまで思い詰めなくてもと思いつつ、出会っていく人々が良い人たちで良かったと心から思う。様々な世界情勢、震災、事故を織り込み、アイの心情をくっきり浮かび上がらせ、読み手の自分の視界は半径数メートルで足掻いていることに気付かされた。
読了日:2月17日 著者:西加奈子
モンキーピーク(1) (ニチブンコミックス)モンキーピーク(1) (ニチブンコミックス)
読了日:2月14日 著者:粂田晃宏
波よ聞いてくれ(3) (アフタヌーンKC)波よ聞いてくれ(3) (アフタヌーンKC)
読了日:2月14日 著者:沙村広明
波よ聞いてくれ(2) (アフタヌーンKC)波よ聞いてくれ(2) (アフタヌーンKC)
読了日:2月14日 著者:沙村広明
波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)
読了日:2月14日 著者:沙村広明
うちのクラスの女子がヤバい(2) (マガジンエッジKC)うちのクラスの女子がヤバい(2) (マガジンエッジKC)
読了日:2月14日 著者:衿沢世衣子
うちのクラスの女子がヤバい(1) (マガジンエッジKC)うちのクラスの女子がヤバい(1) (マガジンエッジKC)
読了日:2月14日 著者:衿沢世衣子
月明かりの守護霊さん (HONKOWAコミックス)月明かりの守護霊さん (HONKOWAコミックス)
読了日:2月11日 著者:あきばじろぉ
夏をなくした少年たち夏をなくした少年たち感想
小学校の仲良し(多少ギクシャクしつつも)、お互いを支え合う4人組と、兄の後をついて歩く4才の妹に降りかかる悲劇。物語は、刑事となった1人が遭遇したある事件の被害者から、懐かしくも苦い過去へと遡っていく。子供時代の章は、1人の少年雪丸に振り回されつつも、生き生きして、誰の心にも思い出す懐かしさを彷彿させるからこその、悪夢の様な展開。それに対し現在の章は、大人ゆえの落ち着きか、子供時代に比べやや精彩に欠けるところもあるものの、全体に漂うほろ苦い思いに統一された世界観は健在で、人間の業を考えさせられました。
読了日:2月11日 著者:生馬直樹
あいの結婚相談所 2 (ビッグコミックス)あいの結婚相談所 2 (ビッグコミックス)
読了日:2月11日 著者:矢樹純
あいの結婚相談所 4 (ビッグコミックス)あいの結婚相談所 4 (ビッグコミックス)
読了日:2月11日 著者:加藤山羊,矢樹純
あいの結婚相談所 3 (ビッグコミックス)あいの結婚相談所 3 (ビッグコミックス)
読了日:2月11日 著者:加藤山羊,矢樹純
辺獄のシュヴェスタ 5 (ビッグコミックス)辺獄のシュヴェスタ 5 (ビッグコミックス)
読了日:2月11日 著者:竹良実
恐之本 充 (SGコミックス)恐之本 充 (SGコミックス)
読了日:2月11日 著者:高港基資
わたしのウチには、なんにもない。 4コマ総集編わたしのウチには、なんにもない。 4コマ総集編
読了日:2月10日 著者:ゆるりまい
猫で語る怪異 1 (HONKOWAコミックス)猫で語る怪異 1 (HONKOWAコミックス)
読了日:2月9日 著者:TONO
楽園 下 (文春文庫)楽園 下 (文春文庫)感想
事故死した少年の描いたある事件の一場面。「模倣犯」のライター前畑滋子が依頼された、少年には見えざる力があったのか。物語は、少年の母とともに生い立ちにさかのぼり、さらなる事件の発端をつかんでいくが。。タイトル「楽園」とは何を表しているのか。「模倣犯」を読んでいながらも、すでに記憶の底で細部も思い出せず歯がゆい思いがしたものの、本編の本筋とは関係ないので、大丈夫。少年と母の絆、愛する娘のため苦悩する夫妻、真実を見極めようと奮闘する滋子。楽園とは程遠い現実に苦い思いを抱きつつ読了。
読了日:2月6日 著者:宮部みゆき
楽園 上 (文春文庫)楽園 上 (文春文庫)
読了日:2月6日 著者:宮部みゆき
キラーハネムーン(1): サンデーうぇぶりSSCキラーハネムーン(1): サンデーうぇぶりSSC
読了日:2月2日 著者:栗栖ナオ
短くて恐ろしいフィルの時代短くて恐ろしいフィルの時代感想
本編は短く、難しい語彙は一切ないのに、読むほどに頭の中を整理して、何度もページをめくり返してしまった。人間でないものたちが繰り広げる領地問題は、いつしかフィルなる存在により、思わぬ事態に。寓話でありながらも過去から時を経て繰り返される社会問題に切り込み、決して絵空事ではない怖さが。毎日の報道を目にすると、フィルは某大統領はたまた、今後現れる指導者かもしれない。
読了日:2月2日 著者:ジョージ・ソーンダーズ

読書メーター

1月に読んだ本

2017年1月の読書メーター
読んだ本の数:39冊
読んだページ数:7334ページ
ナイス数:131ナイス

さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまでさよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで
読了日:1月31日 著者:高田かや
やみ窓やみ窓感想
「幽」文学賞最後の短篇部門大賞となった短篇でありながらも、作者の言葉によると長編のプロローグとなる作品。導入部分から、引き込まれる世界は、日常と非日常の扉が、違和感なく存在する。そこに訪れる異界の物の姿が、不穏ながらも侘しさを感じせるからこそ、まるで昔話を読んでいる様な錯覚も。主人公柚子の日常より、扉の前に座る柚子の異界の物から見た天女はたまた鬼女の姿と映る一瞬が、生き生きしているような奥行きを感じる世界。義母の姿が一番怖いかもと思いつつ、静謐すら漂う世界観に浸かっていたい気持ちにすらなった。
読了日:1月31日 著者:篠たまき
兎が二匹 2 (BUNCH COMICS)兎が二匹 2 (BUNCH COMICS)
読了日:1月30日 著者:山うた
ゴールデンゴールド(2) (モーニング KC)ゴールデンゴールド(2) (モーニング KC)
読了日:1月30日 著者:堀尾省太
魔術師A (torch comics)魔術師A (torch comics)
読了日:1月29日 著者:意志強ナツ子
鬼談百景 (幽COMICS)鬼談百景 (幽COMICS)
読了日:1月29日 著者:漆原ミチ
月と指先の間(2) (KCデラックス Kiss)月と指先の間(2) (KCデラックス Kiss)
読了日:1月29日 著者:稚野鳥子
双亡亭壊すべし 3 (少年サンデーコミックス)双亡亭壊すべし 3 (少年サンデーコミックス)
読了日:1月29日 著者:藤田和日郎
偶像事変~鳩に悲鳴は聞こえない~(1) (ヤンマガKCスペシャル)偶像事変~鳩に悲鳴は聞こえない~(1) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:1月28日 著者:ミサヲ
兎が二匹 1 (BUNCH COMICS)兎が二匹 1 (BUNCH COMICS)
読了日:1月28日 著者:山うた
スラップスティック 2 (ビッグコミックス)スラップスティック 2 (ビッグコミックス)
読了日:1月28日 著者:青野春秋
スラップスティック 3 (ビッグコミックス)スラップスティック 3 (ビッグコミックス)
読了日:1月28日 著者:青野春秋
未知庵の1 三時のお水 (Nemuki+コミックス 未知庵の 1)未知庵の1 三時のお水 (Nemuki+コミックス 未知庵の 1)
読了日:1月27日 著者:未知庵
未知庵の? きなこ体操 (Nemuki+コミックス)未知庵の? きなこ体操 (Nemuki+コミックス)
読了日:1月27日 著者:未知庵
東京ラブストーリーAfter25years (ビッグコミックススペシャル)東京ラブストーリーAfter25years (ビッグコミックススペシャル)
読了日:1月27日 著者:柴門ふみ
スラップスティック 1 (ビッグコミックス)スラップスティック 1 (ビッグコミックス)
読了日:1月26日 著者:青野春秋
ダーリンは71歳 (コミックス単行本)ダーリンは71歳 (コミックス単行本)
読了日:1月25日 著者:西原理恵子
タイムスリップオタガール(1) (ポラリスCOMICS)タイムスリップオタガール(1) (ポラリスCOMICS)感想
とにかくはとこのテンションの高さが笑える。この状況で、そんな想像しちゃうの!。これからまたまたタイムスリップなるのか、中学生のままなのか。先の展開が気になります。
読了日:1月24日 著者:佐々木陽子
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たちうつヌケ うつトンネルを抜けた人たち
読了日:1月24日 著者:田中圭一
浮遊霊ブラジル浮遊霊ブラジル感想
何気ない日常を切り取り、特別な出来事はないながらも、心に残る「給水塔と亀」「うどん屋ジェンダー、またはコルネさん」。新しい妻の存在に思わず喝采した「アイトール・ベラスコの新しい妻」なんでああ歪むかなー綾ちゃん。シュールさ全開の「地獄」「運命」「個性」。そして、表題作の「浮遊霊ブラジル」のどこか可笑しくて、しんみりしちゃう味わいがなんとも言えません。津村さんのいろんな魅力がお得に詰まった短編を味わうひととき。
読了日:1月24日 著者:津村記久子
パレス・メイヂ 6 (花とゆめCOMICS)パレス・メイヂ 6 (花とゆめCOMICS)
読了日:1月21日 著者:久世番子
さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポさびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
読了日:1月19日 著者:永田カビ
一人交換日記 (ビッグコミックススペシャル)一人交換日記 (ビッグコミックススペシャル)
読了日:1月19日 著者:永田カビ
209号室には知らない子供がいる209号室には知らない子供がいる感想
マンション内の各部屋で繰り広げられる連作短編集。209号室に住んでいると言う上品な雰囲気すら漂う美少年に魅入られたら、逃げられない。日常生活で感じる心の隙間にふっとはいりこんでくる少年は何者?マンション内とは言え、各家庭について知らないのが現状となれば、極端な話住んでない人でも住民と思い込んでしまうもの。なんか怪しいと思っても、無視は出来ないものねー。ガスメーターの検針員の女性のサイドストーリーも読んでみたいなあ。
読了日:1月19日 著者:櫛木理宇
バラ色の聖戦(20)<完> (KC KISS)バラ色の聖戦(20)<完> (KC KISS)
読了日:1月17日 著者:こやまゆかり
100万円の女たち 4 (ビッグコミックス)100万円の女たち 4 (ビッグコミックス)
読了日:1月17日 著者:青野春秋
100万円の女たち 3 (ビッグコミックス)100万円の女たち 3 (ビッグコミックス)
読了日:1月17日 著者:青野春秋
100万円の女たち 2 (ビッグコミックス)100万円の女たち 2 (ビッグコミックス)
読了日:1月17日 著者:青野春秋
100万円の女たち 2 (ビッグコミックス)100万円の女たち 2 (ビッグコミックス)
読了日:1月17日 著者:青野春秋
100万円の女たち 1 (ビッグコミックス)100万円の女たち 1 (ビッグコミックス)
読了日:1月17日 著者:青野春秋
慈雨慈雨感想
16年前におきた幼女誘拐事件から、同じ様な手口の事件へ。果たしてその二つの事件は、繋がりがあるのか。そして、16年前に捕まった犯人は冤罪だったのか。退職刑事と現役刑事が追う犯人とは。と書くと推理中心の物語と思いきや、刑事として一人の人間としての苦悩や葛藤を丁寧に描いて、事件の重さをより深く感じさせる人間ドラマでもありました。四国八十八ヶ所を巡る描写も興味深く、同じ様に歩いて、は無理にしても、いつか行ってみたいものです。
読了日:1月16日 著者:柚月裕子
絶対正義絶対正義
読了日:1月11日 著者:秋吉理香子
響~小説家になる方法~ 5 (ビッグコミックス)響~小説家になる方法~ 5 (ビッグコミックス)
読了日:1月8日 著者:柳本光晴
響~小説家になる方法~ 4 (ビッグコミックス)響~小説家になる方法~ 4 (ビッグコミックス)
読了日:1月8日 著者:柳本光晴
響~小説家になる方法~ 3 (ビッグコミックス)響~小説家になる方法~ 3 (ビッグコミックス)
読了日:1月8日 著者:柳本光晴
ヨルムンガンド 3 (サンデーGXコミックス)ヨルムンガンド 3 (サンデーGXコミックス)
読了日:1月3日 著者:高橋慶太郎
ヨルムンガンド 1 (サンデーGXコミックス)ヨルムンガンド 1 (サンデーGXコミックス)
読了日:1月3日 著者:高橋慶太郎
響~小説家になる方法~ 2 (ビッグコミックス)響~小説家になる方法~ 2 (ビッグコミックス)
読了日:1月3日 著者:柳本光晴
響~小説家になる方法~ 1 (ビッグコミックス)響~小説家になる方法~ 1 (ビッグコミックス)
読了日:1月3日 著者:柳本光晴

読書メーター

9月に読んだ本

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:3620ページ
ナイス数:148ナイス

橙は、半透明に二度寝する(2)<完> (講談社コミックス)橙は、半透明に二度寝する(2)<完> (講談社コミックス)
読了日:9月30日 著者:阿部洋一
健康で文化的な最低限度の生活 4 (ビッグコミックス)健康で文化的な最低限度の生活 4 (ビッグコミックス)
読了日:9月30日 著者:柏木ハルコ
一瞬の雲の切れ間に一瞬の雲の切れ間に感想
交通事故を起こしてしまった夫婦、被害にあった少年の母、不倫相手(事故を起こした夫)、そしてある男性からの手紙とそれぞれの立場を描いた連作短編集。痛ましい事故だけに、重い話ではあるものの、声を荒げることもなく、心に深く踏み入る。ドラマでは「息子を返して!」と演出されるけれど、日常を過ごすことは、決して相手に向ける怨恨だけではないはず。だからこそ、最終章の出来事は読者の心にも、ささる。個人的には結局自分の事しか考えられない夫健一に、嫌悪感を感じずにはいられなかった。
読了日:9月27日 著者:砂田麻美
ゲレクシス(1) (イブニングKC)ゲレクシス(1) (イブニングKC)感想
この世界観。なんだかすごいことになってるなあ。予想もつかないとは、こういう作品かも。
読了日:9月23日 著者:古谷実
私が失敗した理由は私が失敗した理由は感想
まるで、悪夢のバトンを渡されたかのような、次々と連鎖する不幸な失敗。ときめきからスタートしたものは、イヤミスならぬドロミスまっしぐらの世界。普通に暮らしていたはずなのに、いつのまにかずれていく感覚。この人は、失敗の連鎖から逃れたか!と思いきや。。作者真梨さんも登場し、果たして成功者とはいかに?読者も作者の気持ちも考えず、言いたい放題書き連ねているとこわいですねー。くわばらくわばら。
読了日:9月23日 著者:真梨幸子
ミスター・メルセデス 下ミスター・メルセデス 下感想
キングが運転するメルセデスに乗って、ノンストップで走り回った気分の怒涛の上下巻。冒頭就職紹介の列に並ぶ人々のささやかな日常を破壊したメルセデス・キラー。奴は何者?なのか。犯人を追う引退刑事ホッジスと交互の視点で描かれるため早々に犯人はわかるものの、わかるからこそ果たして二人の対決がいつなのか。相棒となる黒人青年とメンタル面に問題を抱える中年女性の活躍も良い。ホラーじゃなくても、怖い描写はさすが。いやー読んだ後はしばらくひき肉は食べたくないかも。三部作の一部目という事で、二部三部も勿論読みます!
読了日:9月18日 著者:スティーヴン・キング
ミスター・メルセデス 上ミスター・メルセデス 上
読了日:9月18日 著者:スティーヴン・キング
即席ビジンのつくりかた (ワイドKC)即席ビジンのつくりかた (ワイドKC)
読了日:9月18日 著者:東村アキコ
辺獄のシュヴェスタ 4 (ビッグコミックス)辺獄のシュヴェスタ 4 (ビッグコミックス)
読了日:9月18日 著者:竹良実
アキオ… (ビッグコミックススペシャル)アキオ… (ビッグコミックススペシャル)
読了日:9月18日 著者:村上たかし
指名手配犯(1): バンチコミックス指名手配犯(1): バンチコミックス
読了日:9月17日 著者:田近康平
たそがれたかこ(8) (KCデラックス BE LOVE)たそがれたかこ(8) (KCデラックス BE LOVE)
読了日:9月17日 著者:入江喜和
初恋の世界 1 (フラワーコミックスアルファ)初恋の世界 1 (フラワーコミックスアルファ)
読了日:9月17日 著者:西炯子
私の消滅私の消滅
読了日:9月17日 著者:中村文則
親の介護、はじまりました。(下)親の介護、はじまりました。(下)
読了日:9月17日 著者:堀田あきお&かよ
親の介護、はじまりました。 (上)親の介護、はじまりました。 (上)
読了日:9月17日 著者:堀田あきお&かよ
すばらしきかな人生-ふたたび友郎- 2 (ビッグコミックス)すばらしきかな人生-ふたたび友郎- 2 (ビッグコミックス)
読了日:9月17日 著者:若狭星北原雅紀
村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝感想
わ。伊藤野枝伝と言うので、てっきり学術的な感じのアプローチかと思ったら。熱い!作者の野枝愛が炸裂してますね。愛だいじ。文章の中で大杉栄も野枝も息づいているかのよう。二人の生き方が正しいとか間違ってるとか、言えないけれど。あの当時では確実に生きにくかったであろうけど、決してめげず沢山の子供と同志と、普通の人の何倍もの速さで駆け抜ける野枝は、本当にすごいなあ。大昔、「太陽」の恋愛特集に野枝の写真とともに「恋の勝利者」とあったけど、そんなありきたりな文ではくくれないよねー。栗原さんの熱意に脱帽と羨望。
読了日:9月9日 著者:栗原康
ギフト± ( 5) (ニチブンコミックス)ギフト± ( 5) (ニチブンコミックス)
読了日:9月7日 著者:ナガテユカ
ザ・ファブル(7) (ヤンマガKCスペシャル)ザ・ファブル(7) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:9月7日 著者:南勝久
僕たちがやりました(6) (ヤンマガKCスペシャル)僕たちがやりました(6) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:9月7日 著者:荒木光金城宗幸
やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方
読了日:9月7日 著者:わたなべぽん
コンビニエンスストア様コンビニエンスストア様感想
コンビニ人間」はまだ未読ながら、短編のこちらから。コンビニを人間の様に見立てて、恋愛感情を持つ。こう書くとなんだかありえないですが、村田さんの手によると、コンビニに、不思議な力が宿っているよう。村田さんの持つ基本的な世界が短いながらも、しっかり息づいているようで、思わずコンビニ男前ー!なんて、これまたありえないのに思ってしまった。
読了日:9月5日 著者:村田沙耶香

読書メーター

7月に読んだ本

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:5791ページ
ナイス数:288ナイス

ブラック・ドッグブラック・ドッグ感想
表紙からして、今にも食いつかんばかりの犬の歯が怖いですが。本文も容赦なく襲いかかってくる犬たち。ミステリー小説というより、ホラーよりでしょうか。過激な動物愛護団体の仕掛けた大規模なテロ行為に、巻き込まれた人々。動物愛護なら人間も動物じゃないのということはさておき、果たして誰が生き延びる事が出来るのか先の展開が気になって、546ページという厚さを感じさせませんでした。個人的には、エンジェルテリアはもう頭の中で犬種に関係なくギガちゃんに変換(笑)逃げ回るしかすべのない人間に比べ、犬は賢いからこそ怖いなあ。
読了日:7月31日 著者:葉真中顕
局地的王道食(1) (ワイドKC モーニング)局地的王道食(1) (ワイドKC モーニング)
読了日:7月25日 著者:松本英子
僕が私になるために (モーニング KC)僕が私になるために (モーニング KC)
読了日:7月25日 著者:平沢ゆうな
箱庭のソレイユ 1 (マーガレットコミックス)箱庭のソレイユ 1 (マーガレットコミックス)
読了日:7月24日 著者:川端志季
死人の声をきくがよい 8(墓地裏の青春!!編) (チャンピオンREDコミックス)死人の声をきくがよい 8(墓地裏の青春!!編) (チャンピオンREDコミックス)
読了日:7月24日 著者:ひよどり祥子
許されようとは思いません許されようとは思いません感想
人間の業を深く感じる5篇からなる短編集。優しい祖母の犯した罪の思いもよらぬ原因に驚く表題作。保身の為に思わぬ困難に巻き込まれる「目撃者はいなかった」。あくまで孫のためと信じて疑わぬ祖母の思わぬ落とし穴「ありがとう、ばぁば」。姉妹に対する読者の思い込みが実は。。の展開となる「姉のように」。戦前の怪奇小説を彷彿させるようなざらついた怖さのある「絵の中の男」。短編の中に詰まった人間の脆さや愚かさが、嫌悪でありつつも、身につまされる読後感でした。
読了日:7月23日 著者:芦沢央
月光 (イブニング)月光 (イブニング)
読了日:7月23日 著者:ウチヤマユージ
最底辺の男-Scumbag Loser-(2) (ガンガンコミックスJOKER)最底辺の男-Scumbag Loser-(2) (ガンガンコミックスJOKER)
読了日:7月23日 著者:山口ミコト
希望荘希望荘感想
「ペテロの葬列」から、新たな人生を歩み始めた杉村三郎シリーズ。人間のなんとも言えない切ない愚かさを滲ませる中編4篇。どの作品もちょっとした捻りがきいてます。探偵業に進むことのきっかけとなった「砂男」のそれこそ帯にあるような絶望感が、印象深かったです。ほんと杉村さんは事件を引き寄せているのかな?探偵業の今後もずっと追いかけたいです。
読了日:7月20日 著者:宮部みゆき
最底辺の男-Scumbag Loser-(1) (ガンガンコミックスJOKER)最底辺の男-Scumbag Loser-(1) (ガンガンコミックスJOKER)感想
表紙でかなり怯んだのですが(笑)、お笑いよりでなく、ホラー。二巻の予告では、かなり振り幅がありそうなので、期待です。
読了日:7月20日 著者:山口ミコト
ゴールデンゴールド(1) (モーニング KC)ゴールデンゴールド(1) (モーニング KC)感想
表紙から勝手にもっと呑気なドタバタ劇を連想してたら、いやー想像の上をいく物語。表紙ではそうでもないんだけど、本編に出てくる福の神が、なんだか邪悪な雰囲気。うまい話はそうそうないと思いつつ、早坂さんには幸せが訪れますように。
読了日:7月20日 著者:堀尾省太
双亡亭壊すべし 1 (少年サンデーコミックス)双亡亭壊すべし 1 (少年サンデーコミックス)感想
怪しい幽霊屋敷双亡亭。いきなり不気味で引き込まれました。屋敷の謎は勿論のこと青一くんの謎も早く知りたい。宿木さんの存在感も屋敷に負けてないかも(笑)深川にあった二笑亭ちくま文庫「定本二笑亭綺譚」)を思い出しつつ、次巻が待ち遠しいー。
読了日:7月16日 著者:藤田和日郎
キレる私をやめたい~夫をグーで殴る妻をやめるまで~ (BAMBOO ESSAY SELECTION)キレる私をやめたい~夫をグーで殴る妻をやめるまで~ (BAMBOO ESSAY SELECTION)
読了日:7月16日 著者:田房永子
ジョイランド (文春文庫)ジョイランド (文春文庫)感想
大人になって振り返る、忘れられない夏の日々を海辺の遊園地ジョイランドで働く事にした僕の一人称で語られる物語。全編を通して、誰の心にも違う形でそっとある切ない日々を、キングらしい丁寧な筆致で描き、まるで一緒にその日々を過ごしているかのよう。そんな日々の隙間に入り込む不吉な不協和音。幽霊や殺人鬼といった部分より、圧倒的に占める哀愁感。出会う人々一人一人がなんだか愛おしい。きらめきを持った少年の存在感!ラストにおけるまとめかたも、さすがキング冴えてます。切ない余韻がいつまでも残りました。
読了日:7月13日 著者:スティーヴンキング
ユー ガッタ ラブソング 鳥飼茜短編集 (KCデラックス BE LOVE)ユー ガッタ ラブソング 鳥飼茜短編集 (KCデラックス BE LOVE)
読了日:7月11日 著者:鳥飼茜
先生の白い嘘(2) (モーニング KC)先生の白い嘘(2) (モーニング KC)
読了日:7月11日 著者:鳥飼茜
アブラカダブラ ~猟奇犯罪特捜室~ 1 (ビッグコミックス)アブラカダブラ ~猟奇犯罪特捜室~ 1 (ビッグコミックス)
読了日:7月11日 著者:リチャード・ウー,芳崎せいむ
レインマン 1 (ビッグコミックススペシャル)レインマン 1 (ビッグコミックススペシャル)
読了日:7月11日 著者:星野之宣
AIの遺電子(1)(少年チャンピオン・コミックス)AIの遺電子(1)(少年チャンピオン・コミックス)
読了日:7月10日 著者:山田胡瓜
おやすみカラスまた来てね。 1 (ビッグコミックス)おやすみカラスまた来てね。 1 (ビッグコミックス)
読了日:7月10日 著者:いくえみ綾
その「おこだわり」、俺にもくれよ!!(1) (ワイドKC モーニング)その「おこだわり」、俺にもくれよ!!(1) (ワイドKC モーニング)
読了日:7月10日 著者:清野とおる
匿名交叉 (『このミス』大賞シリーズ)匿名交叉 (『このミス』大賞シリーズ)感想
出版社に勤める楓は、企画で知るハンドルネームソラパパのブログに批判的なコメントを残し、反撃の目に。一方ソラパパこと棚島は、家庭や職場のストレスからある罪を犯す。そんな二人を軸に、ネットの怖さや危うさ、ストレスにまみれた日々をこれでもかと丁寧に描写していく。ストレス解消が、さらなるストレスを生む構図もさる事ながら、登場人物の誰もが抱える心の奥深くの闇が、人間の脆さを感じてやりきれなかった。
読了日:7月9日 著者:降田天
女學生奇譚 (文芸書)女學生奇譚 (文芸書)感想
読む者に凶事をもたらす古書とは。果たして本物なのか、都市伝説を手掛ける雑誌社からの依頼で調べるライターの八坂と長身で男勝りのカメラマン篠宮コンビがいい味出してます。時折挟み込まれる少女の怪しい手記と思われる小説が、不穏で一体どうなってるの?と興味をそそり、そして明かされる思いもよらぬ真実。おぞましいながらも、ところどころにクスッと笑えるところありで、またこのコンビで新たな謎に挑戦して欲しいな。
読了日:7月8日 著者:川瀬七緒
ままならないから私とあなたままならないから私とあなた感想
表題作他1編、どちらも心の底を抉ってくる。「レンタル世界」人間関係を潤滑にしていく職業としても、頼んだらのちのち虚しくなるような。でも、なかなか開き直れない場合もあるかと思うと、心の弱く痛い部分をついてくる職業存在。にしても、主人公の全うで正しいと思い込んでいる様に、おいおいと突っ込みを。表題作は、幼馴染みの薫と雪子の物語。成長するにつれ、考え方は変わってくるどころかますます自分の説に突っ走る薫の信念はすごい。ままならないからこそ、良い時もあり悩む時もあり。どちらの作品を読んでもほんと人間関係は、難しい。
読了日:7月4日 著者:朝井リョウ
悪母悪母感想
幼稚園から小学生まで、奈江と真央親子を主人公に繰り広げられるママ友との関わり。○○ちゃんママと個人としてではなく、あくまで子供の母親としての日々は、子供の成長に一喜一憂。そして出会う母親たちに、ここまでするか!と呆れつつも、ゾッとする。しかし、悪母とは、案外自分は被害者と思い、思うように真央をあなたのためと仕切る奈江のような母親も例外ではないのではと。育児とはほんと育自だなあ。
読了日:7月3日 著者:春口裕子

読書メーター

6月に読んだ本

2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:6634ページ
ナイス数:223ナイス

少女奇譚 あたしたちは無敵少女奇譚 あたしたちは無敵感想
少女たちの体験する思わぬ日常。この経験は、きっと私たちに力と幸せをもたらせてくれると思ったはずなのに、どこかずれてしまった世界。5編の短編は、すぐ側にある日常から、ふと異界に通じ、背筋をフワッとなぜられたような、足元をすくわれるような読み応え。物語は、終わったはずなのに、まだまだその見えない先がポッカリ開いているようで、ちょっとぞくぞくした。
読了日:6月29日 著者:朝倉かすみ
ジャッジメントジャッジメント感想
復讐法なる犯人に同じ様に復讐出来る法律が可決した時、近親者は果たしてこの刑にどう向き合うのか。ニュース等で見聞きする残酷な事件に、同じ様な目に合わせたいと思う時があっても、実際には是非!とはならないだろう。なぜなら、同じ殺人者になってしまうのだから。当事者は勿論の事、報復監査官の苦悩に、違う設定ながら「イキガミ」の役人の苦悩を思いだし、この重い課題に読後も考えさせられた。
読了日:6月27日 著者:小林由香
淋しいのはアンタだけじゃない 1 (ビッグコミックス)淋しいのはアンタだけじゃない 1 (ビッグコミックス)感想
聴覚障害とは?音の聞こえる難易度から耳鳴り、不快音、一人一人違う障害ながら、他の人から見た目ではわかって貰えない大変さ。障害者の方から話を聞く過程から佐村河内氏に繋がっていく。知らなかった聴覚障害の現実を描く秀逸なドキュメンタリー漫画。
読了日:6月26日 著者:吉本浩二
僕たちがやりました(4) (ヤンマガKCスペシャル)僕たちがやりました(4) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:6月25日 著者:荒木光
ささやかな手記 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ささやかな手記 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
ある事からフランスの田舎町に逃れてきたテオ。そんな彼に待ち受ける思いもよらない災難とは。狂った老人二人に監禁される世界は、残酷で救いのないものの、一人称で語られ丁寧に描写された父、兄、妻との関わりや自然の風景が、単調になりがちな物語に、印象深く興味を引かせ、先へと促す。こんな状況でも生きる事に前向きなテオの姿勢に、思いを馳せずにいられなかった。
読了日:6月22日 著者:サンドリーヌコレット,SandrineCollette
百万畳ラビリンス  下巻 (ヤングキングコミックス)百万畳ラビリンス 下巻 (ヤングキングコミックス)
読了日:6月19日 著者:たかみち
百万畳ラビリンス  上巻 (ヤングキングコミックス)百万畳ラビリンス 上巻 (ヤングキングコミックス)
読了日:6月19日 著者:たかみち
からっぽダンス 1 (Feelコミックス FC SWING)からっぽダンス 1 (Feelコミックス FC SWING)
読了日:6月19日 著者:阿弥陀しずく
あげくの果てのカノン 1 (ビッグコミックス)あげくの果てのカノン 1 (ビッグコミックス)
読了日:6月19日 著者:米代恭
セトウツミ 1 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
読了日:6月19日 著者:此元和津也
自殺予定日自殺予定日感想
義母は果たして父を殺したのか?自殺を持って告発する。今までの秋吉さんが黒秋吉さんなら、この作品は白秋吉さん。自殺まで思いつめていた少女が、思わぬ出会いにより、心が少しずつほぐれ成長していく過程を、古来からの六曜や風水を絡めているのが、興味深い。大安や友引にもこんなに意味合いが他にもあったのかと、ちょっとびっくり。
読了日:6月19日 著者:秋吉理香子
モブサイコ100 12 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 12 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:6月17日 著者:ONE
私に依存するのはやめてください。 (バンブーコミックス)私に依存するのはやめてください。 (バンブーコミックス)
読了日:6月17日 著者:内田春菊
オーディションオーディション感想
南部芸能事務所シリーズ第4冊目。個性的な社長の元、メリーランド・ナカノシマとオーディション番組の優勝を目指す。1冊ずつ事務所のみんなや大手事務所のインターバルを見守ってきたせいか、今回は一体誰が勝ち残っていくのか、非常に気になった。先に対する不安や他のみんなに抱かざるをえない嫉妬心。心の動きを丁寧に描き上げていくから、まるで実際に存在するよう。まだまだ芸人としての道程は長い、これからも末長いシリーズとなって欲しい。
読了日:6月15日 著者:畑野智美
僕たちがやりました(2) (ヤンマガKCスペシャル)僕たちがやりました(2) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:6月15日 著者:荒木光
僕たちがやりました(1) (ヤンマガKCスペシャル)僕たちがやりました(1) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:6月15日 著者:荒木光
先生の白い嘘(3) (モーニング KC)先生の白い嘘(3) (モーニング KC)
読了日:6月15日 著者:鳥飼茜
孤食ロボット 3 (ヤングジャンプコミックス)孤食ロボット 3 (ヤングジャンプコミックス)
読了日:6月12日 著者:岩岡ヒサエ
恋は雨上がりのように 5 (ビッグコミックス)恋は雨上がりのように 5 (ビッグコミックス)
読了日:6月12日 著者:眉月じゅん
まんが 新白河原人 ウーパ!(1) (モーニング KC)まんが 新白河原人 ウーパ!(1) (モーニング KC)
読了日:6月10日 著者:守村大
はじまりのはる(3) (アフタヌーンKC)はじまりのはる(3) (アフタヌーンKC)
読了日:6月10日 著者:端野洋子
ぼくの夜に星の出る (マーガレットコミックス)ぼくの夜に星の出る (マーガレットコミックス)
読了日:6月10日 著者:磯谷友紀
虹浜ラブストーリー(上) (モーニング KC)虹浜ラブストーリー(上) (モーニング KC)
読了日:6月10日 著者:元町夏央
FEEDFEED感想
プロローグから明かされる二人の少女の姿。物語は過去に戻り、訳ありの人々が暮らすシェアハウスで出会う綾希と眞美。対照的な二人のそれぞれの進む先に待ち構える現実。このシェアハウスに入らなければならなかった辛い過去。人生の分岐点で、自分で選ぶべき道を間違えずに歩いていくことは、簡単なようでいて難しい。けれど、選んだ道を後悔しないように、少女の未来が明るい日差しが射し込む道でありますように。と、表紙の可愛い二人の少女を改めて見直し、思ってしまった。
読了日:6月9日 著者:櫛木理宇
名づけそむ (フィールコミックス)名づけそむ (フィールコミックス)
読了日:6月9日 著者:志村志保子
月と指先の間(1) (KCデラックス Kiss)月と指先の間(1) (KCデラックス Kiss)
読了日:6月9日 著者:稚野鳥子
はじめてのひと 1 (マーガレットコミックス)はじめてのひと 1 (マーガレットコミックス)
読了日:6月9日 著者:谷川史子
ザ・ファブル(6) (ヤンマガKCスペシャル)ザ・ファブル(6) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:6月6日 著者:南勝久
ポイズンドーター・ホーリーマザーポイズンドーター・ホーリーマザー感想
6編からなる短編集。「告白」のような語りかける口調の物語は、湊さんの本領が発揮されますねー。すぐ身近にこんな人がいそうと思わせるところが、ますます嫌な感じを増幅させます。人によって見方の違う側面をうまくいかして、思わぬラストへ。何に対しても思い込みはほどほどに。ですね。
読了日:6月5日 著者:湊かなえ
自画像自画像感想
婚約者に語りかける女性の言葉から始まる物語は、スクールカーストにより地位が分けられ、容姿が立場を強固にする世界。面皰(ニキビ)に悩む姿は、人が思っているほどでは?と思わせるものを拒絶する勢い。そして、語りは中盤から思わぬ展開へ。学生時代の教師が支配する世界はおぞましく、渦中の少女たちの悲痛な思いに、目を耳を塞ぎたくなる。ゾッとする世界ながらも、読後は不思議な余韻すら残り、本を閉じた後もその行く末を思わずにはいられなかった。
読了日:6月4日 著者:朝比奈あすか
俺物語!! 12 (マーガレットコミックス)俺物語!! 12 (マーガレットコミックス)
読了日:6月1日 著者:アルコ

読書メーター

4月に読んだ本

2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:5655ページ
ナイス数:213ナイス

バラ色の聖戦(18): KISSバラ色の聖戦(18): KISS
読了日:4月30日 著者:こやまゆかり
バラ色の聖戦(17) (KC KISS)バラ色の聖戦(17) (KC KISS)
読了日:4月30日 著者:こやまゆかり
法廷通訳人 裁判所で日本語と韓国語のあいだを行き来する法廷通訳人 裁判所で日本語と韓国語のあいだを行き来する感想
法廷で韓国人の通訳をしている丁さんの法廷での日々。法廷と言う非日常の場に萎縮する被告人の言葉を、ありのままに誠実に伝えていく。言葉は生きていると思う時が、これほど難しく感じる場所はないかもしれない。一つの単語の意味ですら、重い意味を持つかもしれない。法廷での場面が綴られてるものの、事件そのものを綴っているのではなく、あくまで通訳としての立場を貫いた姿勢に、丁さんの真面目な仕事ぶりが浮かびます。言葉の持つ力は、エッセイでありながらもまるで詩のようで、法廷の中を漂う気配を感じる様でした。
読了日:4月30日 著者:丁海玉
僕だけがいない街 (8) (カドカワコミックス・エース)僕だけがいない街 (8) (カドカワコミックス・エース)
読了日:4月28日 著者:三部けい
ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)
読了日:4月28日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)
読了日:4月28日 著者:野田サトル
モブサイコ100 9 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 9 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月28日 著者:ONE
モブサイコ100 8 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 8 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月28日 著者:ONE
ワンダーランド 2 (ビッグコミックス)ワンダーランド 2 (ビッグコミックス)
読了日:4月28日 著者:石川優吾
モブサイコ100 7 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 7 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月27日 著者:ONE
モブサイコ100 6 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 6 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月27日 著者:ONE
モブサイコ100 5 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 5 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月27日 著者:ONE
モブサイコ100 4 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 4 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月27日 著者:ONE
モブサイコ100 3 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 3 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月27日 著者:ONE
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! (9) (ガンガンコミックスONLINE)私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! (9) (ガンガンコミックスONLINE)
読了日:4月24日 著者:谷川ニコ
累(8) (イブニングKC)累(8) (イブニングKC)
読了日:4月24日 著者:松浦だるま
終末の天気(3): ヤンマガKCSP終末の天気(3): ヤンマガKCSP
読了日:4月23日 著者:津覇圭一作元健司
モブサイコ100 2 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 2 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月23日 著者:ONE
町田くんの世界 3 (マーガレットコミックス)町田くんの世界 3 (マーガレットコミックス)感想
油断していたら、育くんの話しでホロっときてしまった。電車の中だよ。フカク。町田くん、ほんと愛しい。
読了日:4月23日 著者:安藤ゆき
ギフト±(4) (ニチブンコミックス)ギフト±(4) (ニチブンコミックス)
読了日:4月23日 著者:ナガテユカ
うちの子になりなようちの子になりなよ感想
漫画家古泉さんご夫妻が、不妊治療から里親を迎えてからの日々。赤ちゃんに対するご夫妻・古泉さんのお母さん・看護師のみなさんと暖かなまなざしに、実の親子でありながら、虐待してしまう家庭について考えずにはいられない気分でした。赤ちゃんの成長記録と後半は里親になるまでについてわかりやすく書かれています。里親と養子の違い、里親になるにあたっての研修期間等知らなかったことがいろいろありました。赤ちゃんが、古泉さんご夫妻の元ですくすく元気に育っていく今後も、是非読んでみたいです。
読了日:4月22日 著者:古泉智浩
モブサイコ100 1 (裏少年サンデーコミックス)モブサイコ100 1 (裏少年サンデーコミックス)
読了日:4月22日 著者:ONE
パレス・メイヂ 5 (花とゆめコミックス)パレス・メイヂ 5 (花とゆめコミックス)
読了日:4月22日 著者:久世番子
きみが心に棲みついたS 4 (フィールコミックスFFCswing)きみが心に棲みついたS 4 (フィールコミックスFFCswing)
読了日:4月20日 著者:天堂きりん
たそがれたかこ(7) (KCデラックス BE LOVE)たそがれたかこ(7) (KCデラックス BE LOVE)
読了日:4月18日 著者:入江喜和
辺獄のシュヴェスタ 3 (ビッグコミックス)辺獄のシュヴェスタ 3 (ビッグコミックス)
読了日:4月18日 著者:竹良実
辺獄のシュヴェスタ 2 (ビッグコミックス)辺獄のシュヴェスタ 2 (ビッグコミックス)
読了日:4月18日 著者:竹良実
軋む心 (エクス・リブリス)軋む心 (エクス・リブリス)感想
アイルランドのある町に住む21人の住民1人1人の心の声。ある人物と事件が人々の心に絡むものの、語り口は日常の出来事へと不満と不安。隣の芝は青いという言葉が出てこないほど、時に寒々とした雰囲気ながらも、人間の営みとはいろんな感情が渦巻くもの。みんなが不幸なら不幸ではないと1人が語る通りに。けれど、そんな中にも愛情や人を思う心もある。今まで縁のなかったアイルランドの人々が、少し身近に感じた。
読了日:4月11日 著者:ドナル・ライアン
小松とうさちゃん小松とうさちゃん感想
小松さんと宇佐美さん(うさちゃん)、どこの町にもいるおじさんふたりと偶然知り合った訳あり風のおばさん(に見えない)長崎さんの日常。ごくごく普通の暮らしだからこそ、大切であり、ほのぼの。特に恋愛に疎かった小松さんの変化が微笑ましいな。ともに収められた短編の序文が興味深く、絲山さん曰くまたひょっこり現れてほしい。
読了日:4月7日 著者:絲山秋子
6月31日の同窓会6月31日の同窓会感想
6月31日と言う無い日に開催される同窓会の招待状とは。地元でお嬢様校と呼ばれる女学院の卒業生に訪れる恐怖の連鎖。一人一人の回想が、いろんな形で絡まり合って、ページを振り返る事多々ながら、一体誰が何の目的でと、興味を引かれて読了。真梨さん独自の張り巡らされた伏線に振り回されつつ、女子学生の精神状態は面倒ー!であり、大人になると保身に走るがそれはそれでやっかいかもなあと、思うのでした。
読了日:4月4日 著者:真梨幸子
笑う赤おに笑う赤おに感想
おーこう言うことだったのか、と思わず言葉が出てしまいました。福祉の行き届いたとうたわれる街に住む、夫や姑にとやかく言われ娘の友達の母親たちと上手く付き合えない主婦、思ったような仕事に就けず何かと不満を持つ青年、職場や家族の繋がりすらも、どこか不穏な状態に戸惑う男性。そして交互に語られる三人の視点に立つ1人の男性。人に対する思い込みや感情をこれでもかと描き、息苦しくなるほど。読んでいる間中、嫌な感情がこちらまで感染してくるものの驚くほどの読後の爽やか感。人のふり見て我がふり直せと改めて肝に銘じます。
読了日:4月1日 著者:雀野日名子

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