「ダーウィンの悪夢」

ぼくは、おんなのこ (Beam comix)
未来町内会(1) (講談社コミックス)
アフリカ、タンザニアヴィクトリア湖畔の町を中心に繰り広げられる荒廃とした世界は、まるで現実の地獄のような世界。一瞬日本から遠く離れた町は、接点すらないのでは?なんて思ってしまいますが、実は湖で獲れる魚ナイルパーチは、ヨーロッパ・日本へと送られ、お弁当やレストラン等の白身魚のフライになって食卓に上がっているのです。普段何気無く食べている先にある世界。そう思うと、なんだか背中がぞくぞくします。でも、一番ぞくぞくしたのは、その日常を受け入れてしか生活していけない人々。高い魚を食べる事も出来ない貧困、魚の骨や少し残った身を干して、食べているのです。印象的だったのが、漁業研究所の警備員をしている男性。戦争があれば、食べていけるから戦争をして欲しいと。全編を通して、ほっとできる場面がないドキュメンタリーだからこそ、目をそらせてはいけないかもしれないです。ただ、唯一微笑ましかったのは、まるで音楽が流れているかのように、踊る小さな少年の姿。子供を犠牲にしては、いけなのは当然だけれど、子供だからこそのバイタリティってあるなあと。いやー考えさせられました。
観終わった後は、本屋さんで「青い花」ですっかりはまった志村貴子さんの「ぼくは、おんなのこ」と野中英次さんの「未来町内会」を買ってしまいました。先日買った「榎本俊二のカリスマ育児」面白かったー。可愛く台詞が少ないコマ割りが、今までの育児漫画と一線を引いていますねー。また「エノモト」再読したくなりましたよ。